当院では睡眠時無呼吸症候群と診断された方の治療を行っております。

近年睡眠と健康についての関心は高まっており、寝具や栄養補助食品からも睡眠をサポートする商品が展開されております。歯科も例外ではなく“睡眠歯学”というワードも近年触れる機会が増えております。私自身も2017年に日本歯科保存学会学術大会で特別講演をされた、スタンフォード大学西野精治先生のお話をうかがってから、興味をもって情報収集しております。

睡眠に関わる問題が、歯科でのみ解決することはほとんどありません。医科歯科連携が必須であり、2方向のアプローチが考えられます。

〇歯科から医科へのアプローチ

例1:歯科健診・治療で受診されたお子さまに、お口の状況に問題がみつかる(“ポカン”とお口をあけてしまうなどの「口腔機能発達不全症」と診断される)
→原因が“鼻づまり”“アデノイド・口蓋扁桃の肥大”など、医科的問題がある可能性があるため、耳鼻科・小児科へ紹介となる

例2:歯ぎしり、食いしばりにひどく悩まれていた方が、生活習慣(就寝前の多量の飲酒、スマホ使用)からくる睡眠の質低下が原因であった
→生活指導が奏功し改善へ向かう

自覚症状がないとしても、歯科受診による“気づき”から、全身の健康向上へつなげられる好例かと考えられます。

②医科から歯科へのアプローチ

例1:医科で“閉塞性睡眠時無呼吸症候群”の診断を受け、症状が軽度であるため、歯科で専用マウスピース口腔内装置)作成が必要となった→専用のマウスピース使用により症状が軽減された

当院では隣接する木町通クリニック様と連携のもと、睡眠時無呼吸症候群患者さんへの口腔内装置の作成を行っております。他医院からのご紹介もしっかり対応いたします。紹介状が必須となりますが、保険治療範囲内での装置製作となります。

装置の意義としては、下あごを前方に出した位置で上下顎にマウスピースを装着することで、口腔内や気道が広がるため、閉塞状態から解放されることとなります。

高次医療機関である東北大学病院では睡眠医療センターが設置されており、歯科では上記装置の製作などの治療が行われております。より専門的なアプローチをご希望の際にはご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群自体は、医科での生活指導やCPAP療法が適応となる事の多い疾患ではありますが、口腔内装置を用いた治療は歯科の得意分野です。“いびき”“睡眠不足”などでお悩みの方も、当院へ遠慮なくご相談ください。